弱者の理論

場所と空間、重力とポップカルチャー。


只今、アーカイブ更新中…

超私的・2013年ベスト10曲(前編)

明けましておめでとうございます。



近頃、プロ・アマ問わず音楽ブログを沢山読んでいましてね。その結果として見つけたのがこの記事でして。(http://pittiblog.ldblog.jp/archives/35297409.html

まあ、年末年始にかけて、みんな楽しそうに今年のベストアルバム10枚選んでましたよ。こんなのを見せられちゃったら僕もやりたいって思いますよね。

ええ、僕も、僕も選びたかったんですけどね。聴いている絶対数がまず少ないという。皆がceroとか聴いている時に僕はビートルズとかブラーとか聴いていましたからね。なんか毎年毎年、何かしらの手段を持って過去に無かってアーカイブを掘っている気がしますね。去年の今頃はさだまさしとか聴いてたし、今更「スピッツすげえいい!」とか言ってたし。今年は流行に敏感でありたいですね。



ということで、アルバムを10枚選ぶのは難しいので、昨年発表されたものから僕が「!」となった楽曲を10曲選んでみました。昨年は洋楽はほとんど掘っていないので、というか、今もリアルタイムの洋楽は追っていないので、全て邦楽を揃えてみました。

皆が今年とにかく褒めているサカナクションとかPerfumeとかをここで上げてもしょうがないので、若干差別化を図りつつ、行ってみましょう。今回は前半。

公式の映像があるものはそちらからリンクしてみました。

 シャンデリア・ワルツ / UNISON SQUARE GARDEN

CIDER ROAD(サイダーロード)【通常盤】

CIDER ROAD(サイダーロード)【通常盤】

 


アルバム『CIDER ROAD』収録。同じアルバム収録の「クロスハート一号線」もシンプルなくせに素晴らしい楽曲だったのですが、やっぱりアルバムのトリを飾っているこちらを。
ニゾンスクエアガーデンが変わっているところは、エレキギターという比較的生々しい音を出せる楽器を使っているくせに、エレキギターによる生々しい音を一切出さないこと。エレキギターは弾き手の細かいニュアンスが出る分ルーズな演奏ができる楽器で、それが愛されている理由だと思っているのですが、彼らはそういったルーズな弾き方をほとんどしない。例えばチョーキングはほとんど使わないかわりにスライドを多く使っているようなギターソロなんかにその特徴がよく出ていると思っています。それが彼らの楽曲にあるメチャクチャな〈キメ〉の切れ味などに繋がっていると思います。そんなアホみたいにキレキレのフレーズとフレーズを組み合わせてできているような楽曲。
アルバム初回盤についているスタジオライブDVDの一曲目がこれなんですよ。初めて聴いた瞬間、すっげえ、って笑っちゃいましたからね。収録されているアルバムも素晴らしいので是非。


この高鳴りをなんと呼ぶ / 忘れらんねえよ

【MV】この高鳴りをなんと呼ぶ - 忘れらんねえよ - YouTube

忘れらんねえよは、音楽として新しいことをしているかといえばそんなことは全くないんだけど、どうしてかわからないまま好きになってしまっているロックバンド。
以前にロックバンドをやっている友達と「人気になるために何が大切なのか」っていう話をした時に、彼が一番最後に〈人間性〉を上げたのが妙に記憶に残っていて。その時の僕は「音楽がすごくいいものであったら人間性なんてあんまり関係ないんじゃねえの」と正直思ったわけですよ。もちろん彼が言った〈人間性〉っていうのはもちろん〈対バン相手と仲良くなれる力〉とかそういうニュアンスも込めていたのだと思いますが、人前に立つと、どうしてもその人の人間性が出てしまう瞬間っていうのがあるんですよね。ロックバンドで曲を書いている人はもちろん、人からもらった曲を歌っている人でも。そんな、楽曲云々はもちろん、僕が人として好きになってしまったロックバンド。
それまでにヒットした楽曲では下ネタが入っているような歌詞でイロモノ扱いだった彼らですが、この曲でロックバンドのどまんなかに突っ込んでいくわけです。
彼らは非常に弱くて、情けない。情けないからこそ、「僕らパンクロッカーなんだよ」と自分を鼓舞していかなければいけないわけです。

空を見上げても空しかねえよ(通常盤)

空を見上げても空しかねえよ(通常盤)

 

 




同じ空の下 / 高橋優

高橋優「同じ空の下」 - YouTube

それまでの高橋優の楽曲と似たような感覚でさらっと聴けてしまいますが、ドラム・ベースのほかにメロディー楽器はアコースティックギターだけという、実はかなりマッチョな音構成をしているんです。そのアコースティックギターもただの装飾音ではなく、アタック音まで拾われて相当バッキバキ鳴っている。
ここ数年の高橋優の楽曲は、相当アグレッシブな音の作り方をしているんですよ。先のミニアルバムに収録された「ボウリング」はギター歪ませすぎて相当ノイジーに作られているし、シングル「陽はまた昇る」はデビュー曲「素晴らしき日常」を彷彿とさせるハチロクの楽曲でありながら、この辺りからギターのアタック音がどんどん強くなって、ギターも特徴的な歪ませ方をさせて音作りさrている。ロックバンドのBRAHMANとコラボレーションした「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」だとそれまでの弾き語りをメインにしたものからロックバンドを使うアレンジに振り切っている。
そんな中から、初期の彼の曲を彷彿とさせる楽曲でありながら、それまでとは違うスカスカのアレンジが行われているこの一曲をチョイス。いかがですかね。

BREAK MY SILENCE(通常盤)

BREAK MY SILENCE(通常盤)

 




テヌート / ハンサムケンヤ

ハンサムケンヤ - テヌート(MUSIC VIDEO)+密着ドキュメンタリー - YouTube

京都出身のシンガーソングライター、ハンサムケンヤのミニアルバム『ブラックフレーム』からこの一曲を。以前、ブログでも取り上げましたね。
それまでのハンサムケンヤの楽曲は耳馴染みの良いメロディーをそれに合う声で歌う〈歌謡曲〉っぽい楽曲と歌い手だと思っていたのですが、この曲でシンガーソングライターから別の場所へ、次元を突き破ってきた感覚があります。おそらく、自分の声質に相当自覚的になって楽曲を作っているんだと思うんですよね。サビ、大サビのメロディとか、今までのハンサムケンヤ楽曲では絶対に生まれてこなかったメロディだと思う。
その後リリースされた「劣等感ビート」もなかなかテッペンを突き破ってきた曲だと思うのですが、好みの問題でこちらを。

ブラックフレーム

ブラックフレーム

 

 


恋する感覚 feat.花澤香菜 / Base Ball Bear

THE CUT (通常盤)

THE CUT (通常盤)

 

 
ミニアルバム『THE CUT』収録。表題曲よりこちらを。
声フェチ大歓喜。BBB小出氏が花澤香菜さんのアルバム『claire』を聴いてアプローチしたとか何とか。確か、小出氏は女性の声の呼吸音が好きらしいです。声フェチの結晶楽曲であるがゆえ、この曲では、風が「きゅるり」と吹きます。花澤香菜さんに「きゅ」と言わせたかったんでしょうね。〈k〉の音をね。
これは個人的な好みなのですが、BBBの関根嬢ボーカル楽曲では小出氏と湯浅氏のギター掛け合いが聴けるのも面白い。バンドも好きだし、花澤香菜さんの声も好きなのでランクイン。
アルバム『claire』も女性の声が好きな人なら是非聴いてください。


と、いうことで前半5曲はここまで。

アイドルソング+番外編の後半5曲は近日更新予定。そっちのほうが多少濃い内容になる見込みです。