弱者の理論

場所と空間、重力とポップカルチャー。


只今、アーカイブ更新中…

エッセイ

〈97年組〉とCymbals ――時代の終わりのショービジネス

先日、身近にいる方々が行っている、おすすめのCD交換会に参加したんですね。 そして、持ってきたCDの出品理由を書くことになったわけですが、それが妙に長くなっちゃったんですよ。なので、久しぶりにブログの記事としてドロップすることにしました。ここに…

ゴジラ的問題解決の放棄? ――『GODZILLA ゴジラ』

祭りだ祭りだ。 ハリウッド版の『ゴジラ』を早速観に行ってきました。 実は僕、そんな素振りは見せたことがありませんが小学生の頃は特撮の怪獣映画が大好きだったんですよ。平成ゴジラ、いわゆる〈vsシリーズ〉と共に幼少期を過ごした世代でもあります。で…

愛とエゴとの素敵な関係 ――岡村靖幸w小出祐介『愛はおしゃれじゃない』

愛はおしゃれじゃない アーティスト: 岡村靖幸 w 小出祐介,岡村靖幸,小出祐介 出版社/メーカー: BounDEE by SSNW 発売日: 2014/04/02 メディア: CD この商品を含むブログを見る 「ラブレターを書くときは自分が相手のことをどれだけ好きかでは無く、相手が自…

あなたが私に貸したもの

あなたがわたしに貸したもの。ナンバーガールのライブ盤。 大学に入学したばかりの僕は、学園祭でバンドを組み、これをコピーしようとナンバーガールのCDを出会ったばかりのバンド仲間から借りた。しかし、結局バンドメンバーが集まらずに学園祭には出演でき…

アニメなんて観ている場合じゃない

夜がどんどん長くなってきている。 秋から季節がどんどん移ろっていく様を言いたかったのではなく、僕達の生活の事だ。この世には一人でできる事が満ち溢れている。ゲームや動画サイト、深夜に放送されているクオリティの高いアニメを観ながら友達とSNSで…

『桐島、部活やめるってよ』の感想と称して

昨晩(9/11深夜)の自分のツイートをまとめるってよ。 観たもの・読んだものの感想をツイッターでぶつぶつつぶやくのは定期的にやっているのですが、あまりにもまとまった内容だったので、自分用と称して記録しておきたいと思います。まあ実験の一つとして。…

五里霧中、無我夢中

「わかった。じゃあアタシが探り入れてきてあげるから!」 彼女は僕の高さに合わせて顔を上に向けているが、それでも俯き加減に見えた。うっすらと黒く縁取られた目が二つ、そこから僕を真っ直ぐに捉えている。そのまま視線を僕から外すことなく、彼女は顔を…

ビックバンまで

全ての授業を終えて、バイトに向かうために僕はバスに乗る。授業が終わってからすぐのバスは何時だって混雑する。バス停留所から大きくはみ出して、近場の 信号近くまで人の列が伸びる事だって珍しくは無い。僕はその列の中腹につけ、程なくしてやってきたバ…

僕はその箒で空を飛ぶ

僕はかつて通っていた中高一貫校で、入学当初から学校の剣道部に入っていた。同じ学年にいる剣道部の男子は僕ともう一人だけで、ここでは彼を仮にK君とする。K君は中学入学当初から170センチを超える高身長で、非の打ちどころも無い端正な顔立ち。男女問わ…

渋谷の街を行く

彼女は、明治通りを駆けて行く。 向かってくる人混みの間を縫って、履きつぶしたローファーと地面をこすり合わせながら、ずり落ちる鞄を持ちなおして、渋谷の街を行く。 彼女が時間をかけて整えた髪の毛は、風に吹かれて崩れてしまうだろう。あんなに走れば…

家に帰ってビールを飲もう

いつまでたっても、夢の国が持つプレッシャーに勝てない。 例えば、友達、好きなあの子とグループで遊園地に行くとする。次に乗るアトラクションは2人乗りだから、男女ペアになるようにグーチョキパーでグループ分けをしようと誰かが提案した。その結果、あ…

嗤ってみせて。

彼女の笑顔の裏を見ようとしていた。 自分が笑えば、茶色い髪の毛がふわふわ揺れることを知っているかのようだった。僕が、彼女の八重歯をもう一度見たいと思っているのを知っているかのようだった。自分が笑えば、自分の半径数メートルの内側で何が起きるの…