弱者の理論

場所と空間、重力とポップカルチャー。


只今、アーカイブ更新中…

2012-01-01から1年間の記事一覧

ラーメンズでわかる非視覚メディア論

ワクワクする。こういう話、一周回ってすっげえワクワクする。 多少前提条件から面倒である非視覚メディアの話を、ラーメンズの戯曲を使ってなんとなくわかった気になろう、という試みです。お付き合いくださいませ。今回題材にするのは、公演『ATOM』から、…

『桐島、部活やめるってよ』の感想と称して

昨晩(9/11深夜)の自分のツイートをまとめるってよ。 観たもの・読んだものの感想をツイッターでぶつぶつつぶやくのは定期的にやっているのですが、あまりにもまとまった内容だったので、自分用と称して記録しておきたいと思います。まあ実験の一つとして。…

描かれる風景と語られないメッセージ ―スガシカオ「光の川」・テクスト的分析

スガシカオ歌詞の素晴らしさを伝えたい。 そもそも僕の考え方だと歌詞ってのは歌“詞”、つまり歌のフレーズですので、それをテクスト的に限定、つまり音と切り離して考えるっていう事にそもそも価値があるのか、って問題にもなってしまうんですけどね。以前に…

近況

本当に近況報告。ほぼ身内向けです。 別にツイッターとかFBで更新投稿もしないし、読んでくれてる人だけ読んでくれればいいや。 まずは一番大きなことから。大学院に進学が決まりました。 大学3年の中頃からもう少し勉強したいなーと思っていて、就職活動も…

近況 ―Base Ball Bearの新曲とドラマチック理論―

どうして3000字クラスのテキストを二日連続で書いているんだっていう。 いや、この記事もまだ書き出している時点で3000字を超えるっていう保証は無いんですが、どうせ超えるんだろうと思って書いています。いろんな要素をごった返しにしながら書くから、雑談…

五里霧中、無我夢中

「わかった。じゃあアタシが探り入れてきてあげるから!」 彼女は僕の高さに合わせて顔を上に向けているが、それでも俯き加減に見えた。うっすらと黒く縁取られた目が二つ、そこから僕を真っ直ぐに捉えている。そのまま視線を僕から外すことなく、彼女は顔を…

近況 ―坂口安吾を読んでいます―

まあそもそも流暢にブログを更新してる時間があるか無いかって言われたら微妙なんですけどね。 大学の先輩が「ブログを続けるコツは今やらなければいけない事を放り出して書くこと」とおっしゃっていたので、それに多大な影響を受けている、ということにしま…

ビックバンまで

全ての授業を終えて、バイトに向かうために僕はバスに乗る。授業が終わってからすぐのバスは何時だって混雑する。バス停留所から大きくはみ出して、近場の 信号近くまで人の列が伸びる事だって珍しくは無い。僕はその列の中腹につけ、程なくしてやってきたバ…

近況 ―スガシカオのライブに行ってきました―

雑記にタイトルを付ける必要もない気がするので、こんな感じで書きましょうか。新しくブログを開設した手前、どんどん記事も増やしていきたいですからね。書きたいことだけ書いて、適当な場所で終わります。あしからず。 先日、スガシカオのライブを観に恵比…

新規開設

てなわけでこんにちはこんばんはおはようございます、某しです。 ブログを新たにはてなにて開設してみました。本当は昔の記事も全部こっちに移行したかったのですが、技術的な問題で無理みたいです。どうもライブドアブログのデザイン性の悪さにげんなりして…

彼女の呼吸を聞きながら

(井口奈己監督『人のセックスを笑うな』作品批評) 人のセックスを笑うな [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2008/07/25メディア: DVD購入: 14人 クリック: 779回この商品を含むブログ (445件) を見る 井口奈己監督作品『人のセックスを笑うな…

『ぐるりのこと。』の涙の種類

(橋口亮輔監督『ぐるりのこと。』作品批評) ぐるりのこと。 [DVD]出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)発売日: 2009/02/25メディア: DVD購入: 6人 クリック: 139回この商品を含むブログ (294件) を見る あれほど気にしていたのに家の蜘蛛を殺してしまった夫の…

世界のハリボテを破る

(幾原邦彦監督『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』作品批評) 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録【劇場版】 [DVD]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2000/03/03メディア: DVD購入: 1人 クリック: 99回この商品を含むブログ (91件) を見る 幾…

決意は夜に

孤独は火を付けるとよく燃える。 それだけで存在している時は、見た目が酷いのも匂いがキツいのもなんとか我慢できる。『危険取扱注意』と赤いシールを張って、取り立てて丁寧に扱うようなものではない。重いものでもないから、持ち歩く事にもさほど苦労はし…

グループ交際に発生する数合わせの男とメタコミュニケーションについて

いつかは一筆をしたためようと思っていたのだが、まだ自分の中でまとまっていない事について書こうと思う。それは自分の中でデリケートな問題であって、それをひとつの作品として形を整え、本当にいるかどうかもわからない読者の方々に見せるのはあまりにも…

『ヒトクイマジカル』が物語脳にしかけるカウンター

初めての試みとしてブログで論考のようなことをやってみたいと思うのですが、がっつりまじめな文章になってしまうと面白くないので喋り口調でゆるーくやりますね。 題材は西尾維新の戯言シリーズ5作目『ヒトクイマジカル』です。とりあえず今回はこの作品を…

僕はその箒で空を飛ぶ

僕はかつて通っていた中高一貫校で、入学当初から学校の剣道部に入っていた。同じ学年にいる剣道部の男子は僕ともう一人だけで、ここでは彼を仮にK君とする。K君は中学入学当初から170センチを超える高身長で、非の打ちどころも無い端正な顔立ち。男女問わ…

渋谷の街を行く

彼女は、明治通りを駆けて行く。 向かってくる人混みの間を縫って、履きつぶしたローファーと地面をこすり合わせながら、ずり落ちる鞄を持ちなおして、渋谷の街を行く。 彼女が時間をかけて整えた髪の毛は、風に吹かれて崩れてしまうだろう。あんなに走れば…

家に帰ってビールを飲もう

いつまでたっても、夢の国が持つプレッシャーに勝てない。 例えば、友達、好きなあの子とグループで遊園地に行くとする。次に乗るアトラクションは2人乗りだから、男女ペアになるようにグーチョキパーでグループ分けをしようと誰かが提案した。その結果、あ…

オー・マイ・スイート・ダーリン

きみのためなら、死ねる。 個人的には、これくらいのテンションは嫌いじゃない。愛とは常に犠牲が伴うもので、それくらいの覚悟があってもいいのかもしれない。しかし、彼女から「単位落としそうだから、あなた死んで」と言われたら死ぬのだろうか。いや、俺…

嗤ってみせて。

彼女の笑顔の裏を見ようとしていた。 自分が笑えば、茶色い髪の毛がふわふわ揺れることを知っているかのようだった。僕が、彼女の八重歯をもう一度見たいと思っているのを知っているかのようだった。自分が笑えば、自分の半径数メートルの内側で何が起きるの…