弱者の理論

場所と空間、重力とポップカルチャー。


只今、アーカイブ更新中…

論考

ポップスにおけるプライベート空間の可能性 ――ayU tokiO『恋する団地』、tofubeats『ディスコの神様』

ポップスのパワースポットが都市から郊外、もしくは地方にある生活空間に移りつつある、気がする。 恋する団地 アーティスト: ayU tokiO 出版社/メーカー: complex 発売日: 2014/07/16 メディア: CD この商品を含むブログ (1件) を見る 自身の音楽のテーマに…

東京出身者のための東京論 ――岩井俊二『スワロウテイル』、ノスタルジーとしての「東京」ソング

スワロウテイル [Blu-ray] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2013/03/20 メディア: Blu-ray 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (2件) を見る 西谷修は評論『ふるさと、またはソラリスの海』において坂口安吾の故郷へむけた視線を分析…

青春が終わっても日常は続いてしまう ――Base Ball Bear『二十九歳』

Base Ball Bear(以下、BBB)の5枚目のアルバム『二十九歳』がリリースされた。楽曲ではメンバー4人以外の音、つまり声とギター、ベース、ドラム以外の音を使うことなく、言ってしまえば自分達のサウンドに制限を設けることによって制作を行ってきた彼らに…

ハンサムケンヤから考える、ソロミュージシャンと演奏隊の素敵な関係

久しぶりの更新を前にかつて自分が書いた記事を読んで来たら、意外と良く書けているような気がする。 お久しぶりです、某しです。春になってからずっとバタバタしていまして、まとまった記事を書く時間が獲得できませんでした。てへぺろ。こうやって書き出し…

キャラクターの〈ピエロ化〉と視点との距離

書き出すまでに時間がかかる。 メール送るまでに時間がかかるし、本を開くまでに時間がかかるし、テキストエディタを開くまでに時間がかかるし、家を出るまでに時間がかかる。春休みなんて長い気がするけど、到底ひと月そこらじゃ足りない。いや、授業自体は…

ラーメンズでわかる非視覚メディア論

ワクワクする。こういう話、一周回ってすっげえワクワクする。 多少前提条件から面倒である非視覚メディアの話を、ラーメンズの戯曲を使ってなんとなくわかった気になろう、という試みです。お付き合いくださいませ。今回題材にするのは、公演『ATOM』から、…

描かれる風景と語られないメッセージ ―スガシカオ「光の川」・テクスト的分析

スガシカオ歌詞の素晴らしさを伝えたい。 そもそも僕の考え方だと歌詞ってのは歌“詞”、つまり歌のフレーズですので、それをテクスト的に限定、つまり音と切り離して考えるっていう事にそもそも価値があるのか、って問題にもなってしまうんですけどね。以前に…

彼女の呼吸を聞きながら

(井口奈己監督『人のセックスを笑うな』作品批評) 人のセックスを笑うな [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2008/07/25メディア: DVD購入: 14人 クリック: 779回この商品を含むブログ (445件) を見る 井口奈己監督作品『人のセックスを笑うな…

『ぐるりのこと。』の涙の種類

(橋口亮輔監督『ぐるりのこと。』作品批評) ぐるりのこと。 [DVD]出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)発売日: 2009/02/25メディア: DVD購入: 6人 クリック: 139回この商品を含むブログ (294件) を見る あれほど気にしていたのに家の蜘蛛を殺してしまった夫の…

世界のハリボテを破る

(幾原邦彦監督『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』作品批評) 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録【劇場版】 [DVD]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2000/03/03メディア: DVD購入: 1人 クリック: 99回この商品を含むブログ (91件) を見る 幾…

『ヒトクイマジカル』が物語脳にしかけるカウンター

初めての試みとしてブログで論考のようなことをやってみたいと思うのですが、がっつりまじめな文章になってしまうと面白くないので喋り口調でゆるーくやりますね。 題材は西尾維新の戯言シリーズ5作目『ヒトクイマジカル』です。とりあえず今回はこの作品を…