弱者の理論

場所と空間、重力とポップカルチャー。


只今、アーカイブ更新中…

2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年個人的ベストトラック10

と、いうことでこちらのブログからはお久しぶりです。元気じゃないですけど、元気のフリをしています。 最近はブログのほかにnoteで定期的にエッセイのようなものを書いています。こっちよりも軽い内容を軽めの量で書いているので、だいぶ軽い気持ちで読…

「自分語り」、「閉塞感」とロックバンド【番外編】 ――Base Ball Bear『二十九歳』再び

前回は「閉鎖的」という要素に注目しながら赤い公園のパフォーマンス体制を見てみたわけなんですが、こういった「閉鎖的」という言葉は、基本的にはパフォーマンスでは無く、その楽曲そのものに対して使われる言葉ですよね。例えば、深夜ひとりの部屋で鬱々…

赤い公園が回避する「アバンギャルドの回路」

今回の乃木坂46さゆりんご事件、ぼくらにはふたつの選択肢が用意されている。 ひとつはもちろん、本人の弁明を信じること。もうひとつは、彼女の弁明は嘘で、いろいろ問題があるけど本当はガチな関係だったんだろうと考えること。前者は彼女がナンパされた…

「役者」としての歌い手と、男性・女性イメージ ――SMAP『Mr.S』など

SMAP『Mr.S』を聴いています。 Mr.S(初回限定盤)[2CD+DVD] アーティスト: SMAP 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント 発売日: 2014/09/03 メディア: CD この商品を含むブログ (1件) を見る (今まで気にしてなかったんですけど、SMAPっ…

結局は自分探しのパフォーマンス  ――今月のUstream『アズミ・ハルコは行方不明』(山内マリコ)前口上

このブログの内容とも関わる本が、Ustream放送で、ついに。 アズミ・ハルコは行方不明 作者: 山内マリコ 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2013/12/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (15件) を見る 例えば僕は、重ための記事を二つも使って〈場所…

ポップスにおけるプライベート空間の可能性 ――ayU tokiO『恋する団地』、tofubeats『ディスコの神様』

ポップスのパワースポットが都市から郊外、もしくは地方にある生活空間に移りつつある、気がする。 恋する団地 アーティスト: ayU tokiO 出版社/メーカー: complex 発売日: 2014/07/16 メディア: CD この商品を含むブログ (1件) を見る 自身の音楽のテーマに…

清濁併せ呑む覚悟はあるか?! ――今月のUstream『平凡』(角田光代)前口上

で、人生長いけど、みんなあと4.50年間どうやって生きていこうと思ってるの? 後悔しつづけて生きていけるの? 平凡 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/05/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る まあとにかく生き…

ゴジラ的問題解決の放棄? ――『GODZILLA ゴジラ』

祭りだ祭りだ。 ハリウッド版の『ゴジラ』を早速観に行ってきました。 実は僕、そんな素振りは見せたことがありませんが小学生の頃は特撮の怪獣映画が大好きだったんですよ。平成ゴジラ、いわゆる〈vsシリーズ〉と共に幼少期を過ごした世代でもあります。で…

不死とか人外とか ――『亜人』、『東京喰種』

久しぶりに漫画の話。取り上げる二つを関連付ける気はない。 亜人(1) (アフタヌーンKC) 作者: 桜井画門,三浦追儺 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/03/07 メディア: コミック クリック: 2回 この商品を含むブログ (33件) を見る 『亜人』/ 桜井画門 使…

東京出身者のための東京論 ――岩井俊二『スワロウテイル』、ノスタルジーとしての「東京」ソング

スワロウテイル [Blu-ray] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2013/03/20 メディア: Blu-ray 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (2件) を見る 西谷修は評論『ふるさと、またはソラリスの海』において坂口安吾の故郷へむけた視線を分析…

これ、やっぱりあなたにあげるね! ――今月のUstream『盗まれた遺書』前口上

盗まれた遺書 作者: 仙田学 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/03/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 余計なお世話だとは思うが、貨幣経済っていう言葉があってだな。まあ言ってしまえば、120円のジュースを買うために120円財布から…

青春が終わっても日常は続いてしまう ――Base Ball Bear『二十九歳』

Base Ball Bear(以下、BBB)の5枚目のアルバム『二十九歳』がリリースされた。楽曲ではメンバー4人以外の音、つまり声とギター、ベース、ドラム以外の音を使うことなく、言ってしまえば自分達のサウンドに制限を設けることによって制作を行ってきた彼らに…

代替可能だっていいじゃないか ――今月のUstream『スタッキング可能』前口上

スタッキング可能 作者: 松田青子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2013/01/18 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (52件) を見る 僕のTwitterやこのブログを定期的に読んでくださっている方は薄々気づいているんじゃな…

ヒトリエ / wowakaに時代が追いついた――〈踊れるロック〉の終わり? part.2

柴那典『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』を読みました。2007年に初音ミクが発売されてからブームの最盛期としている2010年までの3年と少しをアメリカのユースカルチャーの転換点である〈サマー・オブ・ラブ〉の三回目として、その時期にインターネットの…

〈よくわからない人〉を目の前にするとき ――今月のUstream『白ゆき姫殺人事件』前口上

『白ゆき姫殺人事件』予告編 - YouTube 白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) 作者: 湊かなえ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/02/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (14件) を見る 例えば、「他人との人間関係を円滑にするためには相手から〈○○な人〉…

愛とエゴとの素敵な関係 ――岡村靖幸w小出祐介『愛はおしゃれじゃない』

愛はおしゃれじゃない アーティスト: 岡村靖幸 w 小出祐介,岡村靖幸,小出祐介 出版社/メーカー: BounDEE by SSNW 発売日: 2014/04/02 メディア: CD この商品を含むブログを見る 「ラブレターを書くときは自分が相手のことをどれだけ好きかでは無く、相手が自…

今だからこその岡村靖幸 ――バブル世代の「どぉなっちゃってんだよ」、さとり世代の「ビバナミダ」

ポップスに限らず、世間の至る所に〈あるがまま〉原理主義が広がって久しい。自分らしく生きていきたいという歌詞が愛され、書店の平積みには無理をせず生きていくためのハウツー本が並べられている。誰もが自分らしく無理をせず、頑張らずに生きていきたい…

音楽の〈揺れ〉とか〈うねり〉とか ――〈踊れるロック〉の終わり?

本当はこんなものを書いている時間なんてない。 OKAMOTO’Sを聴いています。 ちょっと前までは気鋭の若手バンドくらいのイメージしか無かったんですが、彼らがくるりの岸田さんはじめクリエイターにまあ愛されていること愛されていること。それでまあこれはチ…

超私的・2013年ベスト10曲(後編)

ということで、昨年度私的ベスト10曲、その後編。 前編は 超私的・2013年ベスト10曲(前編) - 弱者の理論 から。 今回は、アイドルソングを2曲と、番外編3曲です。よろしくお願いします。 個人的には、後編が本番。

超私的・2013年ベスト10曲(前編)

明けましておめでとうございます。近頃、プロ・アマ問わず音楽ブログを沢山読んでいましてね。その結果として見つけたのがこの記事でして。(http://pittiblog.ldblog.jp/archives/35297409.html)まあ、年末年始にかけて、みんな楽しそうに今年のベストアル…