弱者の理論

場所と空間、重力とポップカルチャー。


只今、アーカイブ更新中…

MCU『アントマン』が偉大だった理由を振り返る

2017年もマーベル映画が絶好調でしたね。 アントマン (字幕版) 発売日: 2015/12/23 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る シリーズ全体としては今『インフィニティ・ウォー(IW)』への準備段階、ということなのですが、(ドクター・ストレン…

カラスは真っ白と「レイヤー」の話――〈踊れるロック〉の終わり? part.3

久しぶりにライブレポート欲に駆られるライブを観た。 だいぶ前の事になってしまうのですが、TWEEDEESとカラスは真っ白の対バンライブに足を運んできました。アット渋谷WWW。 まあ楽しかったですよ。TWEEDEES/沖井礼二については以前の記事でも言及したので…

〈97年組〉とCymbals ――時代の終わりのショービジネス

先日、身近にいる方々が行っている、おすすめのCD交換会に参加したんですね。 そして、持ってきたCDの出品理由を書くことになったわけですが、それが妙に長くなっちゃったんですよ。なので、久しぶりにブログの記事としてドロップすることにしました。ここに…

2014年個人的ベストトラック10

と、いうことでこちらのブログからはお久しぶりです。元気じゃないですけど、元気のフリをしています。 最近はブログのほかにnoteで定期的にエッセイのようなものを書いています。こっちよりも軽い内容を軽めの量で書いているので、だいぶ軽い気持ちで読…

「自分語り」、「閉塞感」とロックバンド【番外編】 ――Base Ball Bear『二十九歳』再び

前回は「閉鎖的」という要素に注目しながら赤い公園のパフォーマンス体制を見てみたわけなんですが、こういった「閉鎖的」という言葉は、基本的にはパフォーマンスでは無く、その楽曲そのものに対して使われる言葉ですよね。例えば、深夜ひとりの部屋で鬱々…

赤い公園が回避する「アバンギャルドの回路」

今回の乃木坂46さゆりんご事件、ぼくらにはふたつの選択肢が用意されている。 ひとつはもちろん、本人の弁明を信じること。もうひとつは、彼女の弁明は嘘で、いろいろ問題があるけど本当はガチな関係だったんだろうと考えること。前者は彼女がナンパされた…

「役者」としての歌い手と、男性・女性イメージ ――SMAP『Mr.S』など

SMAP『Mr.S』を聴いています。 Mr.S(初回限定盤)[2CD+DVD] アーティスト: SMAP 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント 発売日: 2014/09/03 メディア: CD この商品を含むブログ (1件) を見る (今まで気にしてなかったんですけど、SMAPっ…

結局は自分探しのパフォーマンス  ――今月のUstream『アズミ・ハルコは行方不明』(山内マリコ)前口上

このブログの内容とも関わる本が、Ustream放送で、ついに。 アズミ・ハルコは行方不明 作者: 山内マリコ 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2013/12/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (15件) を見る 例えば僕は、重ための記事を二つも使って〈場所…

ポップスにおけるプライベート空間の可能性 ――ayU tokiO『恋する団地』、tofubeats『ディスコの神様』

ポップスのパワースポットが都市から郊外、もしくは地方にある生活空間に移りつつある、気がする。 恋する団地 アーティスト: ayU tokiO 出版社/メーカー: complex 発売日: 2014/07/16 メディア: CD この商品を含むブログ (1件) を見る 自身の音楽のテーマに…

清濁併せ呑む覚悟はあるか?! ――今月のUstream『平凡』(角田光代)前口上

で、人生長いけど、みんなあと4.50年間どうやって生きていこうと思ってるの? 後悔しつづけて生きていけるの? 平凡 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/05/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る まあとにかく生き…

ゴジラ的問題解決の放棄? ――『GODZILLA ゴジラ』

祭りだ祭りだ。 ハリウッド版の『ゴジラ』を早速観に行ってきました。 実は僕、そんな素振りは見せたことがありませんが小学生の頃は特撮の怪獣映画が大好きだったんですよ。平成ゴジラ、いわゆる〈vsシリーズ〉と共に幼少期を過ごした世代でもあります。で…

不死とか人外とか ――『亜人』、『東京喰種』

久しぶりに漫画の話。取り上げる二つを関連付ける気はない。 亜人(1) (アフタヌーンKC) 作者: 桜井画門,三浦追儺 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/03/07 メディア: コミック クリック: 2回 この商品を含むブログ (33件) を見る 『亜人』/ 桜井画門 使…

東京出身者のための東京論 ――岩井俊二『スワロウテイル』、ノスタルジーとしての「東京」ソング

スワロウテイル [Blu-ray] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2013/03/20 メディア: Blu-ray 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (2件) を見る 西谷修は評論『ふるさと、またはソラリスの海』において坂口安吾の故郷へむけた視線を分析…

これ、やっぱりあなたにあげるね! ――今月のUstream『盗まれた遺書』前口上

盗まれた遺書 作者: 仙田学 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/03/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 余計なお世話だとは思うが、貨幣経済っていう言葉があってだな。まあ言ってしまえば、120円のジュースを買うために120円財布から…

青春が終わっても日常は続いてしまう ――Base Ball Bear『二十九歳』

Base Ball Bear(以下、BBB)の5枚目のアルバム『二十九歳』がリリースされた。楽曲ではメンバー4人以外の音、つまり声とギター、ベース、ドラム以外の音を使うことなく、言ってしまえば自分達のサウンドに制限を設けることによって制作を行ってきた彼らに…

代替可能だっていいじゃないか ――今月のUstream『スタッキング可能』前口上

スタッキング可能 作者: 松田青子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2013/01/18 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (52件) を見る 僕のTwitterやこのブログを定期的に読んでくださっている方は薄々気づいているんじゃな…

ヒトリエ / wowakaに時代が追いついた――〈踊れるロック〉の終わり? part.2

柴那典『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』を読みました。2007年に初音ミクが発売されてからブームの最盛期としている2010年までの3年と少しをアメリカのユースカルチャーの転換点である〈サマー・オブ・ラブ〉の三回目として、その時期にインターネットの…

〈よくわからない人〉を目の前にするとき ――今月のUstream『白ゆき姫殺人事件』前口上

『白ゆき姫殺人事件』予告編 - YouTube 白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) 作者: 湊かなえ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/02/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (14件) を見る 例えば、「他人との人間関係を円滑にするためには相手から〈○○な人〉…

愛とエゴとの素敵な関係 ――岡村靖幸w小出祐介『愛はおしゃれじゃない』

愛はおしゃれじゃない アーティスト: 岡村靖幸 w 小出祐介,岡村靖幸,小出祐介 出版社/メーカー: BounDEE by SSNW 発売日: 2014/04/02 メディア: CD この商品を含むブログを見る 「ラブレターを書くときは自分が相手のことをどれだけ好きかでは無く、相手が自…

今だからこその岡村靖幸 ――バブル世代の「どぉなっちゃってんだよ」、さとり世代の「ビバナミダ」

ポップスに限らず、世間の至る所に〈あるがまま〉原理主義が広がって久しい。自分らしく生きていきたいという歌詞が愛され、書店の平積みには無理をせず生きていくためのハウツー本が並べられている。誰もが自分らしく無理をせず、頑張らずに生きていきたい…

音楽の〈揺れ〉とか〈うねり〉とか ――〈踊れるロック〉の終わり?

本当はこんなものを書いている時間なんてない。 OKAMOTO’Sを聴いています。 ちょっと前までは気鋭の若手バンドくらいのイメージしか無かったんですが、彼らがくるりの岸田さんはじめクリエイターにまあ愛されていること愛されていること。それでまあこれはチ…

超私的・2013年ベスト10曲(後編)

ということで、昨年度私的ベスト10曲、その後編。 前編は 超私的・2013年ベスト10曲(前編) - 弱者の理論 から。 今回は、アイドルソングを2曲と、番外編3曲です。よろしくお願いします。 個人的には、後編が本番。

超私的・2013年ベスト10曲(前編)

明けましておめでとうございます。近頃、プロ・アマ問わず音楽ブログを沢山読んでいましてね。その結果として見つけたのがこの記事でして。(http://pittiblog.ldblog.jp/archives/35297409.html)まあ、年末年始にかけて、みんな楽しそうに今年のベストアル…

〈モンハン持ち〉とキャンプ送り ――『モンスターハンター4』参戦に際して

モンハンの話をしよう。 何を隠そう僕も、得意のハンマーを背負って数々のモンスターと対峙してきたハンターの端くれである。 モンスターハンターというゲームがある。もう、ゲームの内容について細かい説明はいらないだろう。身の丈ほどもある様々な種類の…

ハンサムケンヤから考える、ソロミュージシャンと演奏隊の素敵な関係

久しぶりの更新を前にかつて自分が書いた記事を読んで来たら、意外と良く書けているような気がする。 お久しぶりです、某しです。春になってからずっとバタバタしていまして、まとまった記事を書く時間が獲得できませんでした。てへぺろ。こうやって書き出し…

キャラクターの〈ピエロ化〉と視点との距離

書き出すまでに時間がかかる。 メール送るまでに時間がかかるし、本を開くまでに時間がかかるし、テキストエディタを開くまでに時間がかかるし、家を出るまでに時間がかかる。春休みなんて長い気がするけど、到底ひと月そこらじゃ足りない。いや、授業自体は…

近況 -漫才の話-

書かなけりゃいけないものを全て置き去りにして文章書くの超はかどる。 こんにちは、おひさしぶりです。当方、無事に卒業論文を提出し終え、単位回収をしながら大学卒業を待つ身です。こちらのブログでは報告しましたが、就職では無く大学院進学をする身なの…

あなたが私に貸したもの

あなたがわたしに貸したもの。ナンバーガールのライブ盤。 大学に入学したばかりの僕は、学園祭でバンドを組み、これをコピーしようとナンバーガールのCDを出会ったばかりのバンド仲間から借りた。しかし、結局バンドメンバーが集まらずに学園祭には出演でき…

アニメなんて観ている場合じゃない

夜がどんどん長くなってきている。 秋から季節がどんどん移ろっていく様を言いたかったのではなく、僕達の生活の事だ。この世には一人でできる事が満ち溢れている。ゲームや動画サイト、深夜に放送されているクオリティの高いアニメを観ながら友達とSNSで…

ラーメンズでわかる非視覚メディア論

ワクワクする。こういう話、一周回ってすっげえワクワクする。 多少前提条件から面倒である非視覚メディアの話を、ラーメンズの戯曲を使ってなんとなくわかった気になろう、という試みです。お付き合いくださいませ。今回題材にするのは、公演『ATOM』から、…